キーボックスのカギ、誰か知りませんか?

key_box僕の祖父の口癖は、「人間生きていると色々な面倒事に巻き込まれるもの」というものでした。実際、祖父本人も若い頃に相当トラブルに巻き込まれた経験があるらしく、その際の知り合いと思われる人から、毎年かなりの数の年賀状をもらっていたのを覚えています。
あいにくと祖父は僕が小学校高学年の頃に他界してしまったため、詳しい内容などは分からず仕舞いでしたが、あの優しくて暖かい眼差しをしていた人にも様々な面倒事が降りかかったのだと思うと、「今は辛くてもきっと何とかなる」と、どこか安心する自分がいるのを感じます。

実は、僕は生き方が祖父に似ているらしく、色々なトラブルを引き付けてしまうようなのです。例えば、父親と折り合いが悪くて家出した幼馴染の避難場所として、自分の部屋に住み着かれてしまったりとか、会社の同僚が社内設備のカギがまとめて入ったキーボックスのキーを失くしてしまい、それを一緒に探す羽目になったりなど、これまでも沢山の厄介ごとに見舞われてきました。

こういった話を友人にすると、「お前はもう少しトラブルを回避した方がいい」とか忠告されるのですが、どうも僕には無理そうです。先に書いたキーケースのトラブルにしても、会社の事務の女の同僚が泣きそうな声で「キーボックスのカギ、誰か知りませんか?」と手当り次第に部内で聞いて回っているのを僕は無視出来ないでしょう。

我ながら損な気質をしているとは思いますが、それも大好きだった祖父と似ていると言われれば、どこか誇らしく、この生き方を変える気は無い僕なのでした。